第26回少年問題シンポジウム開催
「少年の非行及び被害を生まない社会をつくるために~ネット・スマホ世代の子どもとどう向き合うか~」
第26回少年問題シンポジウム「少年の非行及び被害を生まない社会をつくるために~ネット・スマホ世代の子どもとどう向き合うか~」(主催:公益社団法人全国少年警察ボランティア協会 ・ 公益財団法人全国防犯協会連合会)が、令和元年11月5日(火)、東京・隼町のグランドアーク半蔵門で開催され、少年警察ボランティアなど、関係者259人が出席しました。最初に、松田茂樹・警視庁生活安全部少年事件課課長代理が「少年犯罪の傾向」と題し講義を行いました。松田氏は、少年事件の変遷についてやネット利用犯罪の事例等を紹介しました。続いて、基調講演では、竹内義博・ソーシャルメディア研究会チーフ技術指導員が「スマホ時代の子どもたちのために」と題し講演を行いました。竹内氏は、インターネットの特性やインターネットで起きている問題点、また、その対策について詳しく説明しました。
続いてのパネルディスカッションは、石橋昭良・文教大学人間科学部教授をコーディネーターに、まず、遠藤哲也・全日本中学校長会生徒指導部副部長兼葛飾区立水元中学校校長が、中学校における携帯電話の取り扱いの実態調査等について、続いて、大原健功・東京家庭裁判所主任家庭裁判所調査官が、インターネット・スマホ利用と性非行との関連等について、また、伊藤光雄・警視庁生活安全部少年育成課係長は、都内の中学生、高校生からのスマホ等に対するアンケート結果や情報モラル教育に対する活動等について、そして、岡嶋美佐子・神奈川県警察本部鶴見警察署長委嘱少年補導員兼サイバースクールボランティア委員が、少年の非行防止と健全育成のための活動として、非行防止教室やインターネット等がもたらす危険から子どもたちを守る活動等について、それぞれ発表がありました。
また、パネルディスカッションの第一部には基調講演者の竹内義博氏もコメンテーターとして参加しました。
パネルディスカッションの第二部では、会場からの質問に対してパネリストの方々が答える、という形で進行しました。
休憩中に回収された質問用紙に「学校の先生たちがスマホの件について困っていることはありますか」「性犯罪をした少年は再非行に走ることが多いのでしょうか」「情報モラル教育が大切だということで、さまざまな活動をしておられますが、私たち少年警察ボランティアに何かできることはないでしょうか」「これまでの活動の中でつらかったこと、失敗談、思い出などがありましたらお願いします」など、さまざまな質問が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがわれ、活発な討議が行なわれました。
※このシンポジウムの内容は『少年研究叢書31』として全少協から刊行される予定です。