「次代を担う少年の育成のために~少年たちに明るい明日がくる効果的な立ち直り支援~」
第25回少年問題シンポジウム開催
第25回少年問題シンポジウム「次代を担う少年の育成のために~少年たちに明るい明日がくる効果的な立ち直り支援」(主催:公益社団法人全国少年警察ボランティア協会・公益財団法人全国防犯協会連合会)が、平成30年11月2日(金)、東京・隼町のホテルグランドアーク半蔵門で開催され、少年警察ボランティアなど、関係者252人が出席しました。
基調講演では、津富宏・静岡県立大学国際関係学部国際関係学科教授が 「人が立ち直るのに必要なこと」と題し講演を行いました。津富氏は、すべての人はお互いを認め合い相互関係が基本である。立ち直りは、当事者だけでなく戻りたくなる社会を作ることが大切であるなどについて詳しく説明しました。
続いてのパネルディスカッションは、野口京子・文化学園大学現代文化学部教授をコーディネーターに、まず、内田桂子・新潟少年鑑別所長は、少年鑑別所が果たす立ち直り支援の役割や観護処遇における立ち直りのための支援などについて発表しました。
続いて、小椋孝・全日本中学校長会生徒指導部幹事兼文京区立第九中学校校長が、思春期の特徴と対応の心構えとして、言葉にできない・変わりやすい・流されやすいなどと訴えました。
また、芹田卓身・埼玉県警察本部生活安全部少年課課長補佐は、思春期の特徴と対応の心構えとして、言葉にできない・変わりやすい・流されやすいなどと発表しました。
そして、平野裕子・警視庁委嘱少年補導員兼少年指導委員は、少年補導員に出来る事として、街頭補導・補導員の認識と小中学校との連携・少年指導委員の役割・少年の立ち直り支援活動について事例をもとに発表しました。また、パネルディスカッションの第一部には基調講演者の津富宏氏もコメンテーターとして参加しました。
パネルディスカッションの第二部では、会場からの質問に対してパネリストの方々が答える、という形で進行しました。休憩中に回収された質問用紙には「伴走型就労支援の形を全国に広げる活動を行っているが、少年補導員にどのような活動を期待しているか」「立ち直りをした少年を事例で紹介をして下さい」「クレーマーの親への対応をどのようにしているか、具体的事例でお願いします」「少年相談などを通じて少年たちに対し進学や就労支援につながった話しをして欲しい」「補導員として思い出に残っていることや注意している点など聞かせて欲しい」など、さまざまな質問が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがわれ、活発な討議が行なわれました。
※このシンポジウムの内容は『少年研究叢書30』として全少協から刊行されています。